Zeiss Conquest HD 8×32

ブランド嗜好で見え方にこだわるなら部門

2番目のエントリーは、Zeiss Conquest HD 8×32 です。

Zeissの32mmなら、Victory 8×32 T*FL の方が正統なのですが、

昨年の9月か10月なら確実にVictoryを紹介したと思います。

実はその時ヨドバシ.comで小さなお祭りがあって、

Victory 8×32 T*FL は約半額、Victory 10×42 T*FL にいたっては

なんと、99,800円で販売されて、あっという間に売り切れました。

Zeissブランドはやはりすごい威力がありますね。

 

そんなわけで、ヨドバシでは現在FLシリーズの購入はできません。

本当に欲しかった人たちが、運よくセール価格で買えたのなら

良いのですが、どうか大切に使われていることを願います。

 

先にVictory 8×32 T*FL の説明をすると、30mm級の大傑作で、

大きさ、重さ、光学性能に関しては申し分ないほどの完成度です。

決して欠点ではありませんが、20万円もする双眼鏡としては

そっけないというか、もう少し高級感があってもと思うくらい

必要にして最小限の仕上げで、それがまた魅力にもなるほどです。

嗜好品ではなく観察するための道具としては理想的な製品です。

 

今回紹介するConquest HD 8×32 は、同社としてはFLより格下で

一つ前の世代では、見え方にもかなりの開きが感じられました。

でも、HDになってからはそれほどの違いは解消されています。

まるでそれは、次世代の30mm級のバトンを受け継いだことを

確認するかのような出来事で、Zeissは以降小型双眼鏡の発表がなく

FLの後継であるHTでは、42mmと54mmのラインアップですし、

国内では未発表(でも実機はある)の、Victory SF も42mmです。

SFの8倍機は、1000m視界が148mの超広角なので、これが発売

されると、伝統の7倍双眼鏡は姿を消すことにもなりそうです。

 

途中さらっと書いてますが、Conquest HD 8×32 はZeiss双眼鏡として

過不足ない光学性能を有していて、とてもリッチな見え方をします。

Zeissというブランドが大好きで、30mm級の手軽さを必要とするなら

Made in Germany の Conquest HD 8×32 は、お買い得に思えます。

 

毎回いっているお約束のようになっていますが、このクラスでは、

見え方よりも、その双眼鏡への想い入れの方がずっと大切です。

Victory の歴史を重んじるのなら、アッベ・ケーニッヒプリズムの

42mm以上級を選択した方が多少の質量が増えても絶対幸せです。

 

現時点では発売されるかどうか確定ではないけど、既にカタログも

あり、Victory SF はシュミット・ペシャン型で、ブリッジタイプです。

新世代のZeissは、その辺もすっぱり割り切った展開となりそうです。