40mm級双眼鏡の2台目の紹介は、
Nikon MONARCH 7 8×42 です。
8倍、42mmで、実視界8.0° はすごいです。
見掛け視界58.4° なので、ニコンの基準だと
MONARCH 7の中で唯一広視界タイプじゃないことに
なっていますが、同社のEDGでも実視界7.7° なのを超えて
何が何でも、8.0° 以上にこだわってきたところは
いつもニコンらしくて、ホント大好きです。
光学的には厳しい条件でも、
ニコンのブランドを掲げるからには、
見え方にも、それなりの基準があるわけで、
期待に応えるために全力を尽くして頑張ることができる
ニコンという会社は、勇気と希望すら与えてくれます。
MONARCH 7 8×42 のライバルは、他社の製品だけでなくて
最も多くの人が比較するのは、MONARCH 5 8×42 です。
同じ会社の同じブランドなので、いつも近くに置いてあるから
ほぼ同条件で見られるので、どうしてもくらべてしまいます。
実視界8.0° と 6.3° なので、全然違った性格なのですが、
店舗の中の限られた空間で見ると、あまり変わらないように
見えるかも知れません。室内だと近くにあるもの見るので
視点が中央に集中することになり、中央だけなら両機は
ほとんど変わりませんから、広角感が良くわからないのです。
それに加え、店内だと何処に何が配置されているのかが
わかっているため、周辺部を使って探す必要がないのです。
MONARCH 7 8×42 の特性が最大限力を発揮されるのは
星空巡りのような時だと思います。バードウオッチングでも
もちろん広視界であることは、絶対的に優位な特性であり
通常だと倍率を落とすか、30mm級にするしかなかったのに
MONARCH 7 8×42 は、42mmのこの価格で実現させています。
だから周辺部の補正については割り切ってもいいのですが、
ニコン様は決してそのようなことは致したりはしないのです。
次に紹介する予定の、CANON 10X42L IS WP とかにくらべれば
甘いと言えるかもしれないけど、MONARCHのポジションで
これほどまでニコンらしさを具現化していることは素晴らしく
MONARCH 5 8×42 と、わずかに60gしか違わない重量の中身に
どれだけ多くの工夫があったのかを考えずにはいられません。
今回の40mm超級で紹介している双眼鏡はすべての機種で
各種の補正が普通とは格段にレベルが違う双眼鏡ばかりです。
全方位で収差を0にすることも、いつかはできるでしょうが
とんでもない値段と重量になってしまうと思います。
理想を追求し続けることは決して悪いことではないです。
けれども現時点では、それぞれの双眼鏡がもっている特徴を
個性だと理解することも、双眼鏡の楽しみの一つなのです。