機能や性能にもこだわった双眼鏡がほしい部門の
最後の紹介は、Vixen アリーナ M 6×21 です。
この双眼鏡も以前、6倍のビクセン - Hydrornisの日記
のところに登場しています。
Nikon 8×20 HG L DCF や PENTAX Papilio 6.5×21 と
同じジャンルというには少々無理があるのですが、
最初に20mm級のリストを作成していて、機能別にした方が
わかりやすいと思って、途中から変更してわけてみた結果
個性的という点において、ここに入ってしまったのです。
アリーナ M 6×21 の特徴というか、この双眼鏡が何を目標として
作られたかを想像してみます。まず最初に、良く見える双眼鏡がほしい
でもお高いのはNG。大きな双眼鏡ならできることを色々とやってみたら
小さな双眼鏡だって良く見えるものを作ることができることは、
Nikon 8×20 HG L DCF でも証明できているので、とにかく安くても
実現できる方法を考えましょう。ほとんどの双眼鏡が克服すべき点は
手ブレの対策する事と、対象物をいかに簡単に視界に入れることができる
かなので、倍率を下げればそれに比例して手ブレは気にならなくなるし、
無理をしなくても実視界を広げることが可能になります。実際どうなって
いるのかは分解したわけでもないけど、良く見えることだけに特化して
削れるところは極限まで削っていったらこうなったという感じです。
だからこの機種は高級機ではありません。もちろんいい意味です。
小さく華奢なボディは、過酷な環境にはとても耐えられそうにもないし
レンズにだけにコストが集中しているので、アリーナシリーズの中で
M 6×21 だけはデザイン的にもかなり異なった印象となっています。
価格的にも性能的にも、アリーナのフラッグシップとして扱われても
よさそうに思えるのですが、6倍のビクセン - Hydrornisの日記
でも触れたように、あくまで控えめなポジションで紹介されています。
M 6×21 には、専用のビノホルダーが付属しています。
小さな6倍でこれをどのように使うのか、ちょっと謎ですけども
このタイプは、カメラと同じで垂直方向に軸が固定されるので、
通常の双眼鏡オプションの三脚アダプターにくらべると不用意に
上下に動いてしまうことがないので、つねに安定した状態を保ちます。
これ大きくて重い双眼鏡ほど必要になってくるところなので
どうにかならないものかと思っていました。デザインを急に変えるのは
難しいから、こういう小型双眼鏡から随時つけていって実際に使ってもらい
フィードバックして本格双眼鏡に応用していくといった少し柔軟な考え方
をすれば、最高の技術を下のクラスにも採用していく従来の方法だけでなく
より安価で楽しいアイディアも生まれて、逆の方向にも使われる可能性だって
あると思う。常に上流から下流に流れるだけの一方通行では多様性がなくなって
しまい、メーカーも消費者も結局は得をしないものばかりになってしまいます。
完全にまた話があさってにいってしまったので戻ります。
アリーナ M 6×21 は、高付加価値商品とはまるで逆の発想です。
でも、双眼鏡にとって最も大切な見え方の部分では妥協していません。
ヨドバシなら全店舗展示となっているので、ぜひともこの双眼鏡は
実際に見てみることをおすすめします。たぶんびっくりしますよ。