価格を重視した30mm級の本格双眼鏡なら部門
最後は、Vixen ニューフォレスタ HR 8×32 WP です。
ビクセン社では、このデザインをオープンヒンジ型と
呼んでいます。何度も言ってますけど、スワロみたいな
双眼鏡というわけにはいかないので、各社とも苦労していて
最近では、ブリッジタイプというのがいい響きですね。
この特徴のあるかたちは、美しいと感じるだけではなく、
持ちやすくて、手の小さな人にも使い易い優れた構造です。
ニューフォレスタ HR 8×32 WP の最大の謎ですが、
HR 8×32 WP は、同シリーズの42mmよりも価格が高いのです。
HR 8×42 WP は、宙ガールシリーズのセット品であったり、
アイソン彗星観測セットでも使われていたので、販売数が多くて
そのために安くすることが、できたのかもしれないけど、
このサイズが人気で、実視界8.0°であることが評判となって
安売りしなくても売れているのであれば、それは喜ばしいことです。
若干不安なのは、ビクセンのサイトでは今も普通に掲載されてますが
2015年版のカタログには32mmが載っていないのです。
なので、もしかするとの場合も考えられます。
それから、NEW FORESTA シリーズは、輸出向けの製品だと、
HR 8×56 WP とか、ひとみ径7mmのヘビー級もあるらしいです。
価格を重視した30mm級の本格双眼鏡なら部門の3機種では
KOWA SV32-8 と、PROSTAFF 7S 8x30 は、上位機種の
BD32-8XD PROMINAR やMONARCH 7 8×30 があるのに対し
NEW FORESTA HR 8×32 WP は、この上のクラスが現行機種だと
いきなり、アルテス HR 8.5×45 WP になってしまいます。
アルテスとは完全に土俵が違うので、上記した5種類のちょうど中間
あたりの絶妙な価格帯に存在している貴重な商品で、3万円以下の
予算配分だと余裕があって、誰にでもおすすめしやすいのです。
HR 8×32 WP の印象は、広くて明るくて少し派手めに感じられます。
明日以降に登場する、ちょっと古めでも高級機が欲しいなら部門と
くらべた場合、ほんの少しだけキレがない風に見えるのかもです。
曖昧な表現を使っていますが、さらにもっと高級機とくらべた場合
目に刺さって痛いほどの見え方ではなくて、ややマイルドなのですが
決して安物の見え方ではありません。価格を重視した双眼鏡としては
最上級であえて高級機とくらべるほどの、お買い得な商品なのです。
作り全体も完璧を追求するような方向ではなく、一歩間違えると、
目標をロストするような緊張感はなくて、むしろ余裕すら感じられ
リラックスして観察に臨めます。この部分がフィールドにおいては
すごく大切で、HR 8×32 WP 最大のセールスポイントだと思います。