ブランド嗜好で見え方にこだわるなら部門
3台目は、KOWA GENESIS 33 プロミナー 8×33 です。
コーワ及びPROMINARのブランドについては、
KOWA BD 25-8 GR - Hydrornisの日記 あたりでも
書いたように、プロミナー = 高性能スコープなのです。
双眼鏡にその名が使われた最初が、GENESIS 44 です。
GENESIS は、8.5×44 , 10.5×44 の2機種が発売されました。
スワロの、EL 8.5×42 WB には負けないぞ、という決意と
自信であったと思います。実物を拝見すると驚きます。
各社の味付けの違いを楽しむことが、双眼鏡の選びの醍醐味
なのですと、以前書きましたけど、ここまで印象深い出来事は
たぶんはじめてで、この時にようやくそれに気付いたといっても
過言ではありません。どちらの方が素晴らしいと感じるのではなく
GENESIS 44 は、まさしくPROMINAR の見え方だったのです。
GENESIS 8.5×44 でも940gで、10.5×44 はさらに重く960gあります。
天体用で腕力もあって、10.5倍を使いこなす能力をお持ちの方なら
素晴らしい双眼鏡だと思います。10.5×44 は、対物レンズが3群4枚で
接眼レンズが4群7枚の構成で、高屈折プリズムのSK15を使っていて
なんかもう望遠鏡のような雰囲気さえ漂う、何だかすごい双眼鏡です。
GENESIS 33 は、それから2年以上たって発表されます。
コーワの素晴らしいところは、バードウォッチャーの要望にも
ちゃんと答えてくれるところです。この時も設計目標になったのは
重量が600g以内で、実視界8.0°をちゃんと確保した上で、
GENESIS 44 の光学特性を維持したまま小型軽量化すること
だったと思います。せっかくなので37mmフィルター装着可能なら
楽しめそうな気もするけど、余分なことはしないで、
三脚アダプターに正式に対応しました。
コーワのスポッティングスコープを使っている人であれば、
素性の確かな製品なので、見え方にも共通している雰囲気があって、
とても繊細な部分まで見分けるような観察をするスタイルの場合
この双眼鏡以外の選択肢は考えられないほど理想的な組み合せです。
もちろん野鳥観察以外の目的で使用しても全然問題無いどころか
プロミナー 8×33 は、息をのむような美しい見え方をするので、
見るもの全てが輝いてしまい、その気品に戸惑ってしまうほどです。
最後にもう一つだけ特徴をあげると、可動部が極めてなめらかで
ピントリングはまったく迷うことがなく、ここまで思い通りの感覚で
操作ができる双眼鏡はたぶん他にはないです。この部分に関しては
もっと宣伝してもいいと思うのですが、GENESISは最高機種だから
そんなことは当然なので敢えて記載する必要がないのでしょうか。
実物に触れる機会があれば、ぜひこの感触を味わってみてください。