40mm級双眼鏡、まず最初に紹介する一台は、
KOWA BD42-8XD PROMINAR です。
この双眼鏡は、42mmとは思えない小ささです。
実物を並べてみれば、同社の32mmよりは大きいですが、
ぱっと見だと42mm級の双眼鏡だとわからないです。
でも持ってみると、その密度の高さを実感できる重量です。
XDガラス(EDレンズ)、マグネシウム合金、
C3コーティング(誘電体多層膜高反射率コーティング)、
位相差補正コート、KRコーティング、最短合焦距離1.5m 等々
最新の技術や、高級機の要件をすべて満たしていて、
まったく隙がみつかりません。
敢えて、ウィークポイントを見つけようとすると、
コンパクトボディを実現させるための対物レンズ構成ですが
コーワの技術力を持ってすれば、各収差の補正も適切ですから
この価格で、これ以上の性能だとGENESISとの棲み分けが難しく
重箱の隅をつつくような視点でカタログの説明を読むと、
「PROMINAR」の名に恥じない見え味、と書いてあります。
「PROMINAR」の名にふさわしい見え味、ではないところが
コーワ自身、GENESISに対する配慮がうかがえます。
はじめての双眼鏡を検討する場合、4万円はかなりの高額です。
何度もいってますが、双眼鏡はどこのお店で購入するかが
すごく大切です。これは単に的確なアドバイスがもらえること
だけではなく、もし万が一製品に不具合があったような時に
きちんと対応してくれる事の方が重要で、ちょっと安いぐらいで
良くわからないような通販専門のショップで購入するのは
絶対にやめたほうがいいです。双眼鏡を購入するお店として
ヨドバシカメラがベストとまでは断言できませんが、
実物が比較でき、BD42-8XDのような売れ筋の商品なら
在庫も幾つかあり、所有機となる個体そのものを確認することも
可能で、やはり人から人へ直接手渡しで購入できる安心感は
高額で繊細な商品になるほど、お店選びも重要なポイントです。
肝心の見え方については、ほとんど違いを見つけることが難しく
昼間の自然光下で見た場合は、同社のSVよりはだいぶ見やすく感じ
GENESIS だと見え方自体は思っているほどには開きがなくて、
性格の違いがわかるかどうかといったぐらいの印象です。
実機を覗く時に一番注意するのは、見口と目の相性をチェック
することです。どんなに素晴らしい光学性能の双眼鏡であっても
これが合わないと使いにくいです。アイレリーフが長い双眼鏡は
適応範囲が広いですが、瞳がわずかに動くと対象が見にくいものも
あります。これとは逆のパターンで、誂えたようにぴったりの
双眼鏡もあるのです。ぎゅっと押し付けるように固定をする人と
わずかに浮かせた方が使いやすい人だと5mmぐらいの差があるので
せっかくお店に行ったのなら、この部分は試したほうがいいです。
メガネを使用する人は、アイカップを少し出すことで調整できますが
裸眼の場合、完全に浮いた状態までしかカップが出てこない機種だと
重さがとても気になるので、そのことも含めて良く確認をしましょう。
ちょっと長くなってしまいましたが、
これよりもう少し安い価格帯の商品や同じような性格で、
次に紹介する、Nikon MONARCH 7 以外のものを挙げておきます。
Vixen ニューフォレスタ HR 8×42WP ¥21,370 ブリッジタイプ
PENTAX SD 8×42 WP ¥29,660 最新モデル
Minox BV 8X42 ¥48,600 ドイツ製 780g
この5機種の見え方の違いを的確に表現できる自信はないです。