双眼鏡の調整

正しい双眼鏡の使い方を知らないと

どんなに素晴らしい双眼鏡を持っていても

その実力が発揮されません。

説明書には必ず手順の記載があるので、

ちょっと、おさらいをしてみます。

 

念のためですが、

ここで説明する調整の手順は、

普通に販売されているプリズム双眼鏡です。

IF方式の特別な双眼鏡やオペラグラスのような

簡易型の双眼鏡は用途が違うので、

付属の説明書などを参照してください。

 

まず最初は、見口の形状です。

ゴム製の接眼目当ての双眼鏡の場合は、

裸眼で見る人はそのまま、眼鏡の人は折り返します。

ターンスライド方式の接眼目当ての場合は逆で

裸眼の時は引き出して使い、眼鏡をしている人は

通常はそのままで使用します。アイレリーフが長くて

クリック式の双眼鏡だと一段だけ伸ばした方が

見やすくなる機種もあるので、試してみてください。

 

次に最も重要なのは、接眼レンズを目の幅に合わせることです。

左右の視野がひとつの円になるのが正しい位置です。

この調整がうまくできないと両眼視にならず、

快適に観察することができません。

眼と眼の間隔は人によって意外と違うので、

ここだけはしっかりと合わせられるように練習します。

 

バードウォッチングの場合は、

鳥との間合いの距離で調整するのがいいのですが、

凝視してしまうと、うまくいかないことがあり

眼鏡を作ったことのある人は機械を覗いた経験があるので

わかると思うのですが、焦点を合わせようとせずに

ぼーっと、前方を向いている状態がベストです。

 

もしどうしてもうまく出来ない場合は、

眼鏡屋さんで上記の視力テストをする時に

瞳孔間距離というのを必ず測定してくれるので、

その数値通りに、双眼鏡の接眼部の幅を設定してから

微調整をしてみるが近道かも知れません。

 

左右の視力がまったく同じ人の場合は以上ですが、

ほとんどの人は、左右で差があるものなので、

最後に、両目の視力差を調整します。

あらかじめ比較的遠方にある動かない対象物を決め

対物キャップがあれば、最初は右側をつけておき

左目だけで双眼鏡をのぞく状態で、ピントリングを回して

対象にピントを合わせます。今度は対物キャップを

左側につけなおして、同じ対象を右目だけでのぞいて

右側の視度調整リングを回してピントを合わせます。

 

なんか文字で書くと長いですが、

これらは、自分の双眼鏡として使うための儀式なので、

最初にしっかりとやっておけば、以後快適に使用ができます。