LX100は、大事な大事な撮像素子の
周辺部分を捨てて、マルチアスペクトにこだわったので、
フォーサーズ採用なのに約1200万画素デジカメです。
超高解像度画質で隅々まで高精細な描写をするタイプではなく、
人物撮影がメインターゲットの本格コンパクトです。
そんなわけで全体にふわっとセッティングで、
やわらかい描写を得意としています。
近年流行りのローパスレスでカリッとした精鋭感が好きな人には
お好みのタイプと見せ方が違い、おすすめしないのだけど、
普段使いのコンデジとしては、苦手なシーンを減らしたいです。
後処理はできるだけ避けたい写真は撮って出し派なので、
フォトスタイルの設定をきめ細かく調整します。
富士フイルムのフィルムシミュレーションはお手本があるので、
あまりいじらない方が綺麗に仕上がる場合が多いですが、
キヤノンのピクチャースタイルの方がイメージしやすいです。
ゆるめの画像対策には、コントラストとシャープネスを
2段ほど+にして、大きく、強調すると、かなり印象が変わります。
風景や大きな建造物などは薄皮一枚剥いだ感じになります。
彩度と色調は微妙ですが、全体に記憶色セッティングに感じます。
ノイズリダクションは高感度を使う場合に限って有効で、
ISO1600までなら、弱めの方が解像感は残ります。
豊富過ぎる設定項目を駆使して自分好みに仕上げるのも、
まったく自由なのですが、レンズ交換式に近づけるセッティングは、
LX100だけが持っている特徴を否定する事にも繋がるので、
カスタマイズは、機能の割り当てぐらいが程良いです。
望遠域は超高倍率ズームが他にも幾らでも存在します。
LX100には、LX100にしか撮れない領域があって、
LX100の得意分野をちゃんと理解していれば、
コンパクトカメラ史上、最も特別な描写をするカメラです。
人とは違った写真が撮りたいと常々考えるようなタイプ
にとってはとても希少な誇れる個性を持っています。
もちろん誰が撮ってもそこそこ綺麗なのですが、
ワンランク上のステップアップカメラじゃ物足りない
そんな野心を持っている本物志向のコンデジです。