機能や性能にもこだわった双眼鏡がほしい部門
最初に紹介するのは、Nikon 8×20 HG L DCF です。
HGシリーズについては、
で、しつこいほど書いているので今更なんですが、
10×25 HG のアクの強い成分についてはなるべく抑えて
誰にも好かれやすい高性能小型双眼鏡に限りなく近づいています。
「 高級機独特の明るい見え方 」について少し補足します。
光透過率というのが、それを示す指数として使われているので
少し考えてみました。可視光線の全域で均一ということはないから
たぶんカメラと同様に、550nmあたりを測定していると思います。
88%であれば、12%が構造上の損失になります。これが大きいのか
小さいのか良くわかりませんが、なるべく無駄にならないように
各種のコーティングがされているのだから、透過率が高くて反射も少ない
双眼鏡ほど偉いということです。双眼鏡は光を増幅するから
多少の損失であれば肉眼より明るく見えるので、たった数%の違いが
はっきりとわかるほど、見え方に影響を与える決め手とは思えないのです。
小型双眼鏡で高級とされる機種は、
8×20 か10×25 に集中しています。(例外的に8×25 もあるけど)
ひとみ径2.5mmが人間光学的な限界と考えられているのか
単純に明るい環境下では普通の人のひとみが2,3mm程度のためか
ひとみ径が2.5mmより小さくなる製品に高品質なものはありません。
8×32 とか 8×42 は、ひとみ径が4mm以上だから小型双眼鏡よりも
圧倒的に有利なので、高品質なものが増えてくるのは確かですが、
昼間の明るい状態なら、ここでいう「 高級機独特の明るい見え方 」 は、
やっぱり限られた一部の機種でしか体験できず、本格双眼鏡であっても
標準機レベルでは、この独特の明るい見え方にはならないのです。
この見え方をどうしてもうまく表現できなくて、非常にもどかしくて
色々と調べては見たのですが、これを的確に表す指標が見つからないのです。
おそらくは非常にコストをかけて良いと思われる対策をもれなく施してある
非常に丁寧に作られた双眼鏡は、総合的な技術を集結することによって
ようやく完成されるもので、そこまでやると凄く高額になってしまうから
各社ともフラッグシップ級の製品じゃないと採算が取れないのです。
40mm級であれば、10万円以上の商品でも買ってくれる人がいるので、
そうした商品を含むラインアップを揃えられて、なおかつ、ブランド力と
技術力と販売力があって、シリーズ化して20mm級も入れられる会社
そうです。日本の双眼鏡メーカーでこれができるのはNIKONだけなんです。
Nikon 8×20 HG L DCF は、ヨドバシでは、39,070円で売られています。
こんな小さいものが4万円もするのはおかしいと思ってはいけないのです。
NIKON様だからこそ、たった4万円で特別な見え方の双眼鏡が手に入るのです。
これが、Leica とか、Zeiss とか、SWAROVSKI だったら、20mm級でも
平気で、10万円以上したりすることを考えたら、超お買い得にみえてきます。
双眼鏡はただ見ることしかできない道具です。
人はそれぞれ価値観が違います。性能に対する要求も目的によって異なります。
しかも20mmは小さいです。それらにどれほどこだわるのかもわからないです。
それでもこの大きさ(小ささ)で、性能を最重視して選択をするのであれば、
見え方は人によって多少の違いがあったとしても、きっと満足できると思います。