同じモデルの8倍と10倍でどちらが売れているかはわかりませんが、
双眼鏡ファンや専門知識があって本音でアドバイスしてくれる店員さん
ならば、まず8倍をすすめてくると思います。第一の理由は手ブレです。
デジカメでは今や手ブレ補正が当たり前のようになりましたが、
双眼鏡ではとても少なく、CANONの双眼鏡の現行商品はすべてISですが、
売れるようになったのは最近のことで、とても市場規模が小さいため
値段も高く、他社では完全に業務用扱いでNewモデルの期待はできません。
第二の理由は実視界が狭く、対象物を捉えることが難しいからです。
そのことはもちろん開発者は良くわかっていて、ちゃんと対策している
モデルもあります。オリジナルがどれなのかわからないので、
ここではモナーク型とします。モナークはNIKONのブランドですが、
初代モナークはとても完成度が高く、他社からもほぼ同じスペックの
製品がたくさん販売されています。NIKONはレンズ構成を公開してないので
PENTAXのSPシリーズの製品カタログの仕様欄から一部転載します。
■製品名 | 8×32 DCF SP | 8×43 DCF SP | 10×43 DCF SP | 10×50 DCF SP |
■形式 | ダハプリズム・センターフォーカス式(インナーフォーカス) | |||
■レンズ構成 ・対物レンズ ・接眼レンズ |
3群4枚 3群5枚 |
3群4枚 2群3枚 |
3群4枚 3群5枚 |
3群4枚 2群3枚 |
■コーティング | レンズ :マルチコート、撥水コート ダハプリズム :フェーズコート |
|||
■倍率 | 8倍 | 8倍 | 10倍 | 10倍 |
■対物レンズ有効径 | 32mm | 43mm | 43mm | 50mm |
■実視界 | 7.5° | 6.3° | 6.0° | 5.0° |
■見掛け視界 | 60° | 50.4° | 60° | 50° |
■1000m先での視界 | 131m | 110m | 105m | 87m |
■射出ひとみ径 | 4.0mm | 5.4mm | 4.3mm | 5.0mm |
■アイレリ-フ | 17mm | 22mm | 17mm | 22mm |
■明るさ | 16 | 29 | 18.5 | 25 |
■視度調整範囲 | ±4m-1 | ±3m-1 | ±4m-1 | ±3m-1 |
■視度調整 | 視度ロック付 | |||
■眼幅調整範囲 | 58~74mm | |||
■焦点調整範囲 | 1.5m~∞ | 2m~∞ | 2m~∞ | 3.5m~∞ |
■目当てリング | 回転スライド式(4段クリック付) | |||
■本体サイズ ・高 ・幅 ・厚 |
||||
127mm | 146mm | 146mm | 170mm | |
126mm | 126mm | 126mm | 132mm | |
52mm | 52mm | 52mm | 59 | |
■質量(重さ) | 660g | 695g | 710g | 840g |
■防水性 | JIS保護等級6級相当 | |||
■付属品 | レインガードキャップ(接眼キャップ)、対物レンズキャップ、ケース、ストラップ |
8×43 DCF SPと10×43 DCF SPの実視界は、8倍が6.3°で10倍が6.0°です。
注目は接眼レンズ構成が、8倍が2群3枚で10倍が3群5枚になっているところです。
8倍が6.3°と10倍が6.0°というのがモナーク型の特徴で見掛け視界は10倍が広く
10倍を買っても、あまり視界の狭さを感じない仕様になっているのです。
この秘密というか工夫が接眼レンズの広角設計だとわかるPENTAXの仕様表は
とても丁寧で素晴らしく、新製品が発売されると消えてしまうかもしれないので
大切に保存させていただきました。これ以降敬意をもってこのパターンを、
モナーク型ではなく、PENTAXタイプに変更します。SD 9×42 WPもいいけど
ずいぶん前から、8×32 DCF SPとか高級双眼鏡をかなりの大幅値引きしていて
買っちゃいそうだったのだけど、やっぱり新製品の方がいいですよね?